まず紹介する室内の緑の力は最も有名な空気浄化の力です。
前回、植物と菌の記事でも書いた通り、NASAが空気を浄化する観葉植物についてレポートを発表しています。
この研究レポートは、観葉植物には空気中の二酸化炭素を取り除くだけでなく、ホルムアルデヒトやベンゼンなどシックハウス症候群の原因となる揮発性の有機化合物を吸収し取り除く力がある、という結果を発表したものです。
宇宙ステーション内は様々な有害物質に覆われており生きていける空間を作らないといけません。
観葉植物の種類によっても異なりますが、観葉植物をある密封された容器へいれ、ベンゼン、トリクロロエチレン、ホルムアルデヒドを注入、24時間経過後の状況を実験した結果が以下の通りです。
ベンゼン・・・約50~90%
トリクロロエチレン・・・約10~25%
ホルムアルデヒド・・・約50~70%
除去したようです。
この有害物質、実はインクや衣類、絨毯、界面活性剤など身近なものにも含まれているものです。
観葉植物の中でもスパティフィラム、サンスベリア、ドラセナ類、アイビー、アレカヤシ、アグラオネマ等は空気の浄化能力が優れている観葉植物の代表種になっています。
植物は天然の空気清浄機といっても過言でもないかもしれませんね。
次に紹介するのは
蒸散作用により湿度を上げる効果
植物は根から吸い上げた水分を蒸散作用により葉から出します。
室内は空調を聞かせることで空気が乾燥しがちですが、観葉植物などを置くことにより湿度を上げてくれることが知られています。
特に室内を快適に感じる要素として湿度は非常に大事で、夏場なら50~60%、冬場なら40~50%といわれています。
冬場のインフルエンザは湿度が40%下回るとかなり活発になりますが60%にもなるとインフルエンザの発症率は極端に落ちるそうです。
蒸散量が多い種で知られるのはカポック。
蒸散が盛んな180cmのカポックを間口3.4m、奥行き5.9mの部屋に配置し、一日の相対湿度を計測したところ1鉢配置した場合で相対湿度が50%になり、
逆に配置していない部屋では40%を下回る結果となっています。
実験は1992年の12月ごろ愛媛大にて行ったものです。
冬場では人間が室内で快適に感じる相対湿度は50%程度と言われていますから、非常に良い結果をもたらしてくれていることがわかります。
インフルエンザは湿度60%以上でほとんど活動しなくなり、40%を下回ると猛威を振るいます。
つまり観葉植物はインフルエンザ対策にも最適です。
また空気中の湿度が大事なエアプランツ。
このエアプランツは湿度60%の空気が流れている状態であれば生育することができるとされています。
近くに観葉植物をおいてあげることで湿度が好きな植物たちの環境をお部屋の中に作ることができます。
いかがですか?
室内での植物は天然の空気清浄機であり、天然の加湿器になります。
植物をお部屋の中にどんどん取り入れることで人にとっても、植物にとっても良い環境になっていくことができます。
お部屋の中にそんなことも考えて植物を取り入れてみるといいかもしれません。
伊藤 郁純