日本には伝統的な焼き物が全国に所在し、現在も脈々と受け継がれています。
植木鉢にも人気のあるなしや焼き物の伝統的なところで相性はあれど様々な鉢が存在しています。
今回はそんな焼き物の種類についてご紹介します。伝統工芸品だけでも30はあるので少しずつご紹介いたします。
陶器と磁器
焼き物は陶器と磁器の2種類が大きなくくりで存在しておりまずはこの2つの違いについて説明いたします。
陶器は「土もの」とも呼ばれ、陶土と呼ばれる粘土が原材料です。粘土のみではひび割れが起きやすいため、ガラスの材料となる珪石や長石を混ぜて使います。
焼く温度は800~1250℃です。
磁器は「石もの」と呼ばれ、陶石と呼ばれる石英や長石が原材料です。この陶石を粉砕して粉にし、粘土と混ぜて使います。
焼く温度は1200~1400℃です。
焼き方
焼き方にも2種類あり、酸化焼成と還元焼成があります。
酸化焼成は、窯内に酸素を取り込んで、徐々に温度を上げ青白い炎で焼き上げる方法です。
還元焼成は、窯内の空気の流れを遮断して、不完全燃焼の状態で焼きます。不完全燃焼のために赤黒い炎で一酸化炭素を発生します。
燃料の種類や供給のタイミングが難しいため、高度な技術が必要です。
陶器はどちらの焼き方でも、磁器は還元焼成で主に焼き上げられます。
性質
焼き上がりの後の違い。土とガラスのどちらが主原料か焼き方などである程度予想はできますが、性質が出ています。
【陶器】
吸水性・・・粘土質な焼き物のため高いです。
風合い・・・厚手で土らしい自然さや雑さ、ぬくもりが感じられる。
音・・・叩くとにぶめで低い音がする。
光・・・光は土が主原料で厚手のことが多く通さない。
色・・・様々な色が可能
貫入※1・・・釉薬※2を厚めにかけると出やすい
【磁器】
吸水性・・・ガラス質な焼き物のため低いです。
風合い・・・薄手でガラス質らしい滑らかさや硬さ、洗練さが感じられる。
音・・・叩く金属質で高い音がする。
光・・・光はガラス質が主原料で薄手のことが多く通しやすい。
色・・・白が多い
貫入・・・釉薬が薄いことが多くほとんど見えない
※1貫入(かんにゅう)釉薬と表地の間のヒビ
※2釉薬(ゆうやく)原料の粘土などを成型後表面にかける薬品のこと。「うわぐすり」とも呼ばれ、焼くことでガラス状になり器の表面をコーティングする。鉢では防水や空気を通しづらくする際などにも使われる。
それぞれの地域ごとの焼き方や作家の技術などによって違う性質の焼き物になることもあります。
まずは焼き物のきほんの「き」からご紹介させて頂きました。
またそれぞれの焼き方や模様の付け方の技術などご紹介させて頂きますね。
KIDORI 伊藤郁純